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Garamond は 16 世紀以来、聖書、古典文学、学術書 の標準書体。長文の可読性に優れ、ページをめくるリズムが穏やか。
Claude Garamont は 1490 年頃 パリ生まれ、活字彫刻師 (パンチカッター) として修行した後、1530 年代から独自の書体を発表し始めた。彼の書体は、当時のパリの印刷業者 Robert Estienne に採用され、フランス王室公認の Imprimerie Royale でも使われた。
Garamond の特徴は x-height の低さ、小さなセリフ、そして 緩やかな応力軸 (傾いた)。これらは Aldus Manutius が 15 世紀末 ヴェネツィアで発展させた人文主義書体の伝統を継ぐが、より洗練されている。
1561 年に Garamont が没した後、彼の活字母型は弟子の Christophe Plantin や Jean Jannon らに引き継がれた。実際、20 世紀初頭まで「Garamond」と呼ばれていた書体の多くは、Jannon の作品だったことが判明している (1926 年の研究)。
20 世紀以降、Stempel Garamond (1923)、Adobe Garamond (Robert Slimbach, 1989)、EB Garamond (Georg Duffner, 2011, 本書の組版書体) など、数多くの復刻版が作られ続けている。
Garamond の最も特徴的なグリフは、小文字の g。上下二つのループ (bowl) を持つ「二階建て (double-storey)」構造で、人文主義書体の伝統を強く宿す。
注目すべき三つの線:上に伸びる ear (耳)、下に流れる descender、そして二つの bowl を結ぶ繊細な link。これらすべてが手書き写本の運筆を活字に翻訳したもの。
ベースラインの下に descender が深く下がるのも Garamond の特徴。長い ascender / descender が、本文組版に独特のリズムを与える。
Garamond は 16 世紀以来、聖書、古典文学、学術書 の標準書体。長文の可読性に優れ、ページをめくるリズムが穏やか。
Steve Jobs が 1984 年に採用した Apple Garamond (Bitstream)。Think Different キャンペーンや初期 Mac OS のブランドの顔。2002 年に Myriad Pro へ。
Knopf (1915 –) と Penguin Classics は、Adobe Garamond を本文組版の標準書体として採用。「文学を読む」体験そのものが Garamond で組まれている。
世界中の伝統的新聞の題字に Garamond または近縁の Old Style serif が採用される。The Times、Le Monde、朝日新聞 全て同系統の書体伝統。
Harvard、Yale、Oxford、Cambridge、Princeton ── 世界の名門大学の証書、印刷物、紋章はほぼ Garamond または近縁書体。「知識の権威」のシグネチャー。
結婚式の招待状、卒業証書、表彰状 ── 「儀式」の書体として Garamond は今も第一選択。Italic + ornament の組み合わせで「正式な手紙」の文法を作る。
パリ・パンチカッター時代のオリジナル活字。1592 年の Berner specimen が現存する重要資料。
20 世紀の最初の本格復刻。フランクフルト Stempel 社が原型を再彫刻、活版印刷時代の標準となる。
デジタル時代の決定版。Slimbach はパリ国立図書館で原資料を直接調査、最も学術的に正確な復刻として広く採用された。
本巻の組版書体。Egenolff-Berner 1592 specimen に基づくオープンソース版。Google Fonts 経由で世界中に普及。